車の暖機運転については、いろいろな意見が飛び交っていて収拾が付かない状況ですね。

暖機運転が絶対に必要だったのは、昔の車だけです。これは間違いありません。

昔の車はキャブレターという、ガソリンと空気を混合させる精密機械でシリンダー内に噴射していましたが、今はインジェクターで、しかも、ガソリン混合比もアイドリングも、全てコンピューター制御されています。

キャブレター時代の車は、エンジンが暖まらないとチョーク(ガソリンと空気を混ぜる時、プラグの火が点きやすいようにガソリンの比率を少し多くする装置。車はオートチョーク、バイクはレバーを手動で引くようになっていた)が効いていて、アクセルを踏み込んでも前になかなか進まなかったり、エンストしたり、ときにはプラグかぶり(濃いガソリン混合気がプラグの点火装置に燃えずにくっつき、そのため点火が不可能になる状態)などを起こしていました。

そのためエンジンが暖まるまで数分、アイドリングでエンジンを暖機運転して、オートチョークが解除されるのを待ってからスタートしたものです。

しかし今の車は、全てがコンピューター制御。

しかも、キャブレターのような機械式ではないので、コンピューターが自動的に全てを適正値に調整してくれます。

さらに、ピストンやカム、シリンダーなどの各部品の加工精度も上がっているため、エンジンをかけ始めは現在もチョークはかかりますが、普通に発進できてしまいます。

このように、精度も上がった現在の車に、数分間もの長い間暖機運転をするのはナンセンスだといえるでしょう。

また、暖機運転中はエンジンをかけたまま停まっている状態なので、二酸化炭素もそれなりに出ています。

現在の環境保全の考えと、相反する行為だともいえます。

とはいえ、エンジンをかけてすぐは、エンジン内にオイルが行き渡っていないため、アクセルを踏む事はやはりやめておきましょう。

エンジンオイルで潤滑されてないシリンダー内に、余計な力を加える事はやっぱりよくない事です。

では、どうすればいいのか。

エンジンをかけ、15秒~30秒程度そのままにしておけばエンジンオイルがエンジンの各部に充分まわります。

シートベルトをしたり、ミラーを確認したりしている間に15秒~30秒くらいすぐでしょう。

そのままサイドブレーキを解除し、フットブレーキをゆるめれば、少し混合気が濃くなっている状態ですので、自然に前方へ出て行くはず。

アクセルをグイッと踏まなくても、軽く足を乗せているだけで大丈夫ですから、そのまま行ける所まで走ればいいんです。

つまり、エンジンをかけて1秒ですぐにアクセルとグイッと踏むような事をしなければ、「暖機運転」という概念は捨ててもらってかまわないと思います。

ただ、未だに暖機運転をする人には2種類あります。

時代を考えずに、本当に暖機運転が必要だと思っている人と、愛車を大事にしたい、大切に長く乗りたいと思うからこそ”いたわり”の意味をこめて暖機運転をする人です。

愛車を大切にする事も大事ですが、環境も大事にするなら、やはり2分も3分もの暖機運転は「必要ない」といったほうがいいでしょう。


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